ランプの作り方 その2      サンドブラストの作業について

Posted on : 2012-08-22 | By : ゆふこ | In : 作品

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Kさんから「絵の部分は掘るのですか?それとも別の色ガラスをのせるのですか?」と質問されてハタと気づきましたが、サンドブラストの説明を忘れていましたので、もう少し詳しく書きますね。

サンドブラストとは、コンプレッサーによる圧縮空気で研磨剤をガラスに吹き付けることにより、ガラスの表面を削り取って絵を描く技法のことです。

一般的にはサンドブラストを単独で仕事にする工房が多く、ステンドグラスとは分業されているというか、とにかく普通のステンドグラス工房ではサンドブラストを使うことが少ないようです。

前回の「こつぶ展」に来られた他の教室の生徒さんたちが『モチモチの木』の花柄ガラスを見て何度も「これは買ってくるのですか?」と訊かれましたが、自分で作れるのですよ。ふっふっふ。

私の師匠の工房では、ごく普通にサンドブラストの機械が置かれていて、そこで『絵を描ける』という楽しさを知った私は、自分の工房を作った際に、迷わずサンドブラストを購入しました。

 

工房の片隅にあるサンドブラストの本体です。

前面にある2つの穴から手を入れて上の窓から覗きながら箱の中で作業をします。圧縮空気を送るためのコンプレッサーはパイプでつながれて窓の外のベランダに置いてあります。

箱の中にあるノズルです。このノズルから研磨剤を吹き出します。研磨剤はサラサラの細かい砂みたいなものです。

ガラスを丸に切り、カバーシートを張り、彫りたい形にカッターで切った後、一番深く彫りたい部分だけシートを剥がします。シートでカバーしていない部分に研磨剤が当たって彫れます。段彫りという技法ですので、これから何段階かに分けて掘り進んで行きます。

1段目と2段目が彫れたところで、3段目のシートを剥がします。

4段目のシートを剥がしたところで、これで最後です。

ようやく全部彫れました。

今回は、絵柄に『ツゲのペグ』を選んだので4段階で彫りましたが、『黒檀』なら2段階でいけたかも。3段階までで彫るのが作業的には理想的かと思います。

多かれ少なかれ、こんな風に何回かに分けて彫っていきます。ステンドグラスを作るのが目的なのに、その上、こんな細かい作業をするなんて普通に考えたら面倒臭いこと極まりないのですが、私はシートを剥がす毎にワクワクしながら楽しんで絵を描いています。

ランプの作り方 その1

Posted on : 2012-08-19 | By : ゆふこ | In : 作品

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東京のKさんより「ランプを作って欲しい」との連絡がありました。

Kさんからのリクエストは下記の通り。

モチモチの木のように丸いガラスを使って、ランプの形はメガホンの細い方を下に立てた感じ

・花の模様のガラスを楽器のモチーフに変えて

・アッシジの「とげのないバラ」とハトを入れて欲しい

・複数名からのプレゼントなので、みんなにわかるように製造工程をブログで公開して欲しい

そんなわけで、まずは楽器モチーフのガラスを作っています。クリアガラスに金が被せてある二層のガラスの金側から彫ります。

金色のガラスは光が入っていない時は金色に反射しますが、ライトをつけると金色が琥珀色に見えるというステキなガラスを使っています。

Kさんからは「楽器そのものではなく、パーツを取りだして」との依頼でしたが、 オケ族のかたにはどれが何かわかるでしょうか?

来週1週間かけて制作する予定ですので、今ならまだリクエストは間に合いますよ。リクエストはお早い目にお願いします。

テーマ音楽

Posted on : 2012-08-15 | By : ゆふこ | In : 日記

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今日は手作り市です。

8月はお盆と重なって暑いこともあって、出店者が少なく、お客様も少なく、暑さはピークで売上は当然ながら少ないのですが、毎年何かしら「ご縁」があって、少なからずその後に影響することもあるので真面目に出店することにしています。

この1ヶ月は、世間がオリンピックで盛り上がっていたこともあって、手作り市前のヘビーローテーションは、ゆずの「栄光の架橋」でした。

オリンピックソングは、もうこれで良いんじゃないかと思うのですが、色々と大人の事情もあるのでしょうね。私は、この歌と北島君が泳ぐ姿だけで泣けます。体操男子の冨田君が鉄棒で最後を決めた瞬間を観たら号泣ものです。(8年前の話でスイマセンです)

世界水泳のテーマ音楽も、個人的にはB’zの「ultra soul」のままで良いんじゃないかと思います。教室の生徒さんが「息子が聴いていて、ウルトラショックだと思っていたんですよね」と言っていらっしゃいましたが、まぁ気持ちはわかります。

ちなみに、ファンファーレならロス五輪を越えるものはもう出ないと思います。

では、行ってきます。

生徒さんの作品(バラのパネル)Oさん

Posted on : 2012-08-14 | By : ゆふこ | In : 教室

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ゆふ工房では、生徒さんが「作るものが思いつかないけど何か作りたい」という時に、私の描いたデザイン画を買っていただくことができます。そこから色を変えたり構図を変えたりとその人なりのアレンジを施し、新しい作品として生まれ変わるのです。

今回、Oさんはバラの図案からパネルを作られました。

ガラスが変わったり、線が増えたり減ったりして、私には思いつかないような作品に仕上がりました。Oさんのモダンなセンスが光ります。

「額縁に入れるのではなく、ケイム(鉛線)で周りを囲んでアンティーク風にしたい」とのことで、初めてケイムを切られたのですが、これが案外難しい。

「あぁ、ちょっとだけ短かった」と切り直したり、長さを合わせるのに苦闘されたりで、私の制作途中のパネルを横目に「こんなパネルは絶対に作りません」と断言されていました。

そう言う人に限って、作ったりするんだなぁ、と思いながら「そうですか」と笑ってしまいました。

窓用パネル/すみれ

Posted on : 2012-08-04 | By : ゆふこ | In : 作品

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「階段の途中に明かり取りの大きな固定窓があり、その窓は通りに面しているために道行く人と目が合うくらいで、中を覗かれているかもしれないと思うと落ち着かないからステンドグラスで目隠しをしたい。窓から見える景色はコンクリートしか無いから奇麗な空も描いて欲しい。」という依頼で窓用のパネルを作りました。

ガラスには透明なガラス(トランスピアレント)と不透明なガラス(オパールセント)があり、窓用には透明なガラスを使うことが多いのですが、「めいっぱい隠して」と不透明なオパールセントを多く使うように依頼されました。

「大好きなすみれの花をモチーフにして欲しい」とのリクエストでしたが、これが少々難しかったです。

描いてみて知ったのですが、すみれは小さいから可愛いのです。大きくしたら宇宙人みたいな顔になるのです。だからと言って、小さなスミレをたくさん作っても1メートル以上ある大画面のなかでチマチマと何を言いたいのかわかりません。

散々デザイン画をボツにした後、そんなすみれを1メートル以上あるパネルに描こうとすると「皆が『すみれだ』と認識してくれるための要素は何なのか」という基本に戻るしかありませんでした。

すみれは、本当にたくさんの種類があって、花の形も色も様々、葉の形は千差万別、花だけならアヤメもすみれに見えてきます。いったい何を選び取れば、すみれになるのか???

最後にたどり着いた私なりの答えは「立ち姿」でした。顔を少し下に向けたような可憐な姿に人は心動かされるようです。実際はインベーダーのごとく荒れ地にも降り立ち、勝手に生えてしまう強靭な植物ですが。

一番外側の琥珀色のガラスは「イリデセント」と呼ばれる虹色に光を反射するガラスを使っています。この部分は、実際に取り付ける場所ではアルミの窓枠があり、光を全く通さないので反射したら奇麗に見えるガラスを選びました。ですので、実際に「ステンドグラス」として皆さんの目が行くのは青いガラスよりも内側ということになり、琥珀色のガラスは「木の窓枠」といった感じです。

ガラスの特性を目一杯生かしたパネルになりました。

モチモチの木

Posted on : 2012-08-03 | By : ゆふこ | In : 作品

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友人から「こつぶ展に行って、ゆふこさんがこんなに色んなものを作っていたんだってビックリした。だってホームページを見ても最近の写真が無いんだもん。」と言われて、ハタと気づきました。

こつぶ展の作品紹介をすっかり忘れておりました。なんと、パネルを1つ紹介しただけでした(あらま)

以前「ステンドグラスと音楽」でも書いたように、自分の作品にまるっきり執着が無い上、過去の作品は写真のデータが消えてしまったり、撮るのを忘れていたりで困ったものですが、お仕事なのでちゃんとします。はい。

そんなわけで、まずは「こつぶ展」の作品紹介を復活させるということで、このところ制作している作品の「産みの親」を紹介します。

モチモチの木

現在、受注しているランプとキャンドルホルダーは、この「モチモチの木」を気に入ってオーダーしてくださったものです。

子どもの頃に読んだ「モチモチの木」。どうしても、そんな木を見たくて、山の上の宿で夜中に外に出たりしてみましたが、未だ「これだ!」という木に出会ったことはありません。

じゃあ、自分で作るしかないとステンドグラスで作ってみました。

花柄のガラスは2層になったガラスの色面側をサンドブラストという技法で彫ったものです。クリスマスが近かったので、赤いガラスとさし色に緑と金色を使いました。

これはランプではなくキャンドルホルダーなのですが、木があまりに大きかったのか、1つずつもらわれて行きました。新しく作った木の丸い小さな台に乗っかって、コロンとした姿も可愛いです。

余談ですが、若い世代は「モチモチの木」を知らないそうです。「確か教科書に載ってたはずなんだけど」と言って「そうそう」と頷く人は、私と同じかそれ以上の世代のかたでした。