吊りさげ型「花のランプ」

Posted on : 2012-09-29 | By : ゆふこ | In : 作品

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「部屋には緑色のソファがあるので、緑色を使った吊りさげ型のランプを作ってください」とのオーダーを受けました。

ホテルオークラにあったランプが奇麗だったと写真をもらい、にらめっこすること数ヶ月。作った模型の数は、紙では4〜5個、実際にガラスで作ってみたのが2個。ランプに似合うガラスは探しに探して、3種類のガラスを3軒のガラス屋さんから仕入れました。

ようやく作ったランプは、下部分が12面体で上部分が6面体という、作った人には複雑だけど見た目にはかなりシンプルな出来あがりになりました。ホテルオークラのランプは細長かったのですが、私は丸いほうが可愛いと思ったので、そうして作ったら気に入っていただけました。

「緑色のガラス」というのも悩みどころでした。食卓の上に吊るすということだったのですが、寒色のライトはご飯が美味しく見えないから合わないのです。暖色が良いけれど、緑のガラス…と悩んでいたら、ガラス屋さんの片隅に佇んでいる薄緑色のガラスが目に入りました。

「このガラスは古くてもう作られていない上に、在庫も少ししか無いから売れなかったけれど、これだけで良かったら分けますよ」とのことでした。

淡い緑が奇麗だったのですが、光にかざすとオレンジがかった暖色に変化しました。昔はよくあったタイプのガラスだそうです。

「あまり売らないでくださいね。もう在庫がありませんからね。」とガラス屋さんが心配しましたが、「これしか無い」と決めました。リクエストの緑色だけど、食事の時にはライトをつけるだろうから、その間は暖色になってくれる。これ以上のガラスがありましょうか。

ランプの注文をくれたのは、中学時代の後輩でした。彼女は今も昔も「ぷーさん」と呼ばれています。

ゆふ工房は、去年の12月に自宅を飛び出して山科駅近くの新工房へ移転しましたが、当時は仕事のアテも無く、教室の生徒さんも少ない中、赤字覚悟の決断でした。

そんな五里霧中の時に、ぷーさんが遊びに来て「ランプをお願いしたい」と、何も作っていないのに代金をポンと置いていってくれました。それは、そのまま翌月の家賃と光熱費になりました。

その後、あれよあれよと仕事が増え、教室の生徒さんも増え、寒い工房に春の日ざしが差し込む頃には、休む暇もないくらい忙しくなりましたが、もしもあの時、ぷーさんが気前よくランプ代を支払ってくれていなかったら、今の工房があっただろうか、と思います。

ぷーさんからは、ランプを吊るした部屋の写真をもらいました。

3つ並べると豪華ですね。今度は、ピンクで桜の蕾っぽく作ってみようかと考え中です。

キャンドルホルダー

Posted on : 2012-09-23 | By : ゆふこ | In : 作品

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モチモチの木」のキャンドルホルダーを気に入られたご夫婦から「青系のガラスで作って欲しい」というオーダーを受けました。

工房に来てガラスを選んでいただき、出来上がったキャンドルホルダーは「私が作った」というよりは、依頼された夫婦のものでした。

「このガラス、ちょっと地味かな?でも奇麗だからいいや」と使ったガラスが、壁に映ると思いがけず木星のように見えてビックリしました。

まるで小宇宙ですね。ミニプラネタリウムのようです。

ステンドグラスは、こういう「作ってみないとわからない」部分がどうしてもあって、それがまた楽しいです。

夏休み旅日記

Posted on : 2012-09-22 | By : ゆふこ | In : 日記

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今週、遅いめですが夏休みとして1週間のお休みをいただきました。

思い起こせば去年の夏から秋の「こつぶ展」を開くために奔走し、終わればすぐに新工房へ移転。その後は、お仕事をたくさんいただき、生徒さんも増え、おかげさまで小さいながらも「ゆふ工房」はフル回転で休む暇もありませんでした。

休みの寸前は、徹夜で手作り市の準備をして、そのまま青空の下で出店。ヘロヘロのまま荷物を詰め込んで、3泊4日の北海道旅行へ行ってきました。いつもは車で移動するので、家族5人揃って電車に乗るのも飛行機に乗るのも初めてです。

天気予報では全日程が雨の予報らしく、相方さんが「最悪だ」と絶望的な顔をするので、私が「なんとかなるさ!」「日焼け止めを持って行こうかな」と言うと、「いらんいらん」と苦笑されました。

私は「晴れ女」なので天気は気にしないのですが、夫を信じずに夫婦の間に溝が開くのもどうかと思い、帽子も日焼け止めも持たずに出発したら見事に晴れました。そして日焼けしました。(涙)

1日目は、出産前に行った北海道旅行を思い出して美瑛へ。「満天の星を子どもに見せてあげたい」と天体望遠鏡のあるペンションに泊まったら曇りで見えず。ざんねん。

ペンションでは、間接照明だけのムードある雰囲気の中、食事はコース料理で出てきましたが、子どもは3人とも大人しく食べてくれました。テーブルの上にはクロスや小さな花瓶やライトが置いてあり、イタズラ要素が満載でドキドキしましたが、食事後にクロスを巻いて「お寿司」と言った程度で済みました。奇跡です。

翌日は、朝から「青い池」に行ってきました。

火山の災害防止のために作られた堰堤に水が溜まって偶発的に出来た光景らしいです。それがMacintoshの壁紙に採用されて有名になったとかで、駐車場に車が山ほど止まっているような観光地になっていました。

その後は、丘を見渡せる公園でアイスクリームを食べながらゆっくりしました。息子は虫を採るのに忙しそうでした。

今回は、ステンドグラスに縁のある旅でもありました。

今までは「影響を受けないように」と、他の作家さんの作品を見ないようにしてきましたが、1軒めのペンションで紹介された「ジョバンニ」というステンドグラス工房へ足を運んでみました。

工房主の青田さんは、60歳を過ぎてからステンドグラスを始めたそうで、御歳70歳を過ぎているとは思えないパワフルさで工房はステンドグラスでいっぱいでした。

私がステンドグラス工房で仕事をしている知ると、警戒するどころか色々と教えてくださいました。私もこんな風に歳を取らなくっちゃと思いました。

その後たどり着いた2軒目のペンションでは、奥様が趣味でステンドグラスを作られるとのことで、奥様の師匠が作られた作品も見せていただきました。旅先でこんなにステンドグラスにお目にかかることは滅多に無いのですが、冬の間の暇な時期に作る「北海道のステンドグラス事情」を色々と教えていただきました。

その後は、旭山動物園へ。

炎天下(33℃)、虫を追いかけてあらぬ方向へ走って行く子どもを追いかけたり、下の子をおんぶしたり、「3人の子連れってこんなところまで来ないよなぁ」とか思いながら、6年前に夫婦だけで来た旭山動物園を思い出したりしながら楽しみました。(注:私は動物をあまり見ていません)

旅から帰ってきて思ったこと。子どもは親が思っているよりも成長しているようです。

うちの子は、とてもよく食べます。常に1人前の食事を用意してもらいましたが、宿の人たちの心配をよそにおかわりをするくらい食べて、これは大変に歓迎されました。

そして、よく歩き、よく遊び、よく寝る。子どもとしての「お勤め」を充分に果たしている姿を見て、普段から「歩かせる努力」をしている親としては、苦労が報いられるのを感じました。

私自身が休んだかどうか?と訊かれたら、むしろ疲れましたが、子どもが喜んでいたので良かったです。

来週からは、また通常通り。溜まっている作品の写真をブログに掲載していく予定です。

<6年前の北海道旅日記>カムイ岬日本初のウイスキー動物園美瑛の丘

 

ランプの作り方 その5

Posted on : 2012-09-21 | By : ゆふこ | In : 作品

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最後の作業です。

蓋になる部分と筒状の本体をハンダ付けして、ブラックパティーナという薬品をつけると鉛の銀色が黒に変色します。ワックスで仕上げて、やっと出来上がりです。

やはり壁に映したほうが奇麗です。

ハトの部分は、少しわかりにくいけれど、こんな感じ。

上面にダイヤを埋め込んだ部分を拡大して撮ってみました。

実験のような感じで立体的なダイヤを入れてみましたが、奇麗だったのでまた何かの機会に使いたいと思います。

最後に、このような無茶なオーダーをくださったKさん、ありがとうございました。

Kさんとは、私が東京に住んでいた頃に「チェリッシモ・ブラビッシモ!(通称ブラビ)」というチェロアンサンブルの団体で一緒に弾いていました。

Kさんを見て「なんでこんな上手い人が下のパートを弾いているのかな?」と思っていましたが、テンポや弾き方を自在に操るKさんを見て、「上手い人が下のパートを弾かないとダメなんだ」と実感しました。無茶なオーダーにお応えしたのは、私に音楽の大切な部分を教えてくださった恩返しです。

ブラビに私を連れて行ってくれたのは20年来の旧友でした。友人は、なんだって私を褒めてくれて、いつだって私の味方でした。

ブラビの練習の後の居酒屋で「ブラビのロゴを考えよう」となった時に、私が描いた絵を見て「天才だ!」と言ってくれたおじいちゃんは、私がチェロを弾くと「あんたの音は素晴らしい」と手放しで褒めてくれました。

右も左もわからない東京で不安な私を元気づけてくれたこの二人は、もうこの世にはいません。

もしも今、東京にいたなら、チェロ活動の復活はブラビからだっただろうなぁ、と思います。他にも「ゆふこさんと一緒に弾いていると楽しい」と言ってくださるダンディなかたや素敵なチェロ弾きがたくさんいるアンサンブルなのです。

こうして書いていると最後のほうは自画自賛みたいですが、私のように至らぬ者でも温かい目で見守ってくださる人たちばかりなんです、というお話なのですよ。念のため。

ランプの作り方 その4

Posted on : 2012-09-07 | By : ゆふこ | In : 日記

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熱割れしたガラスを彫り直し、注意深くハンダ付けして、ようやく側面が出来上がりました。

ちょっとはみ出ている黄銅色の棒は真鍮で、これを短く切り、その先に真鍮製のボールを乗せてハンダ付けします。

真鍮は銅と亜鉛の合金で、銅が多く含まれているので、ハンダ付けをすることができます。5円玉の原料になっていますので、5円玉や銅でできた10円玉もハンダ付けできるのでしょうね。やったことありませんが。

足を本体と一体化させ、台から外すと完成形が見えてきました。今の段階では、まだハンダの色は鉛そのものの銀色をしています。

次に上面を作ります。

Kさんからは「光源から上に映った光が、そのままの形で天井を照らしたりしないのかな?」と言われましたが、天井から直接つり下げる電灯具ならばガラスの模様を映して面白くすることが出来るのですが、置き型のランプでは少し難しいです。

「スペクトラム!」という感じにすれば良いのかな?と思って材料を探していたら、こんなものがありました。

直径5cmほどのガラスのダイヤです。オモチャみたいなものですが、これを貼付けたらどうなるかな?と思い、使ってみました。これだけでは上辺を覆いきれないので、側面に合わせて考えた形で上辺を作ります。

ハンダ付けしてみると「ちょっと何かの紋章みたいだな」と思いました。上面には熱が逃げる窓を作っておかないといけないので、このような形になっています。光源から上面まで距離があるので大丈夫だとは思いますが念のため。

いよいよ明日は「ランプの作り方」最終回です。

乞うご期待!

ランプの作り方 その3

Posted on : 2012-09-05 | By : ゆふこ | In : 作品

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納品ラッシュもあと少し。先週の土曜日は、どうしても作業しなければならず朝の3時に工房へ出かけると、冬の星座が空に上ってオリオン座が美しく煌めいていました。

しばらくして西の空に目をやると、そこには奇麗な満月が浮かんでいました。ブルームーンと呼ぶらしく、見たら幸運だとか。だったら良いな。(幸運な人は山ほどいると思うけど気持ちの問題です)

さてさて、ランプの作り方の続きです。

まずランプの台を作ります。作ると言っても、今回は東急ハンズで買って来た発泡スチロールに半紙を糊で貼付けるだけの簡単なものです。写真の奥にそびえる円錐が台になりますが、リクエストは「メガホンを逆さまにした形」なので、円錐の下から途中にある黒線の部分までガラスをハンダ付けした後、逆さまにひっくり返してランプに仕上げます。

ランプは立体なので案外ガラスが必要で、 こんなにたくさん貼付けるのです。

アッシジの「とげのないバラ」とハトも作りました。バラは1cmくらいなので1ピースあたり5mm程度と、とても細かい作業です。

ガラスの切り方はホームページの「ステンドグラスの作り方」を見てくださいね。

昨日は、途中までハンダ付けしたところでトラブル発生。なんと、サンドブラストで彫ったガラスが2つ熱割れを起こしてしまいました。彫ったガラスは通常のガラスよりも弱いのです。。。涙。

今日また彫り直してから、ハンダ付けに再チャレンジします。失敗の原因は、ハンダが銅箔テープを越えてガラスの裏側に周り、ガラスに直接ハンダが触ってしまったのではないかと推測しています。なので、普通にランプとして使っていただく際に熱割れを起こす可能性はほぼありませんので、ご心配なく。