日記

距離感

ユリちゃんからコメントをいただいたことだし、もちょっと
自転車の話題を。
私は、生まれも育ちも京都ですが、京都は地下鉄や電車が不便な街なので、
何よりも便利で速い自転車を日常の交通手段として使っていました。
この時点では「好き」というより「自転車に乗るのが当たり前」という
感覚です。
そんな意識に変化が起こったのは、京都を出てからのことでした。
数年前、京都を出て大阪に1年、東京に2年半、一人暮らしを
経験しましたが、これらの大都市では、縦横無尽に地下鉄が
張り巡らされているため、自転車の出番がかなり減りました。
すると、私は、ふとあることに気がつきました。
『地下鉄では距離が実感できない』
地図を見ながら地下鉄に乗っても、真っ暗な窓の外をジっと
見つめてみても、距離を全く体感できないのです。
旅行先ならともかく、自分が住んでいる街の大きさがわからないのは、
落ち着かないものですね。
そこで出来る限り自転車で移動してみることにしました。
時間を見つけては、地図と自転車だけを相棒に、目的もなく走り回っていると、
新しい発見がたくさんあって、その街を好きになり、同時に、そこの住人に
なったことを、街に認めてもらえたような気がしました。
大阪も東京も意外と坂が多くて苦労しましたが(「平野じゃないのか~?」
と心の中で嘆くこと数回)、一番苦労した経験は、東京に住んでいた頃、
日暮里の自宅から澁谷まで行った時だったでしょうか。
暑さと疲労の余り一歩も前に進めず、途中のカフェでガソリン(ビール)を
注入し、ヘトヘトになって、ギャラリーTOMへ辿り着いたのは、家を出てから
2時間ほど経った頃でした。
そこで、私の人生を左右する人物と作品に出会ったのですが、その話は、また今度。

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