スケッチ
ステンドグラスを作る時、デザインの元となる対象をスケッチすることから始めます。
そこから何度も推敲を重ねて余分な線を取り除き、必要なものだけ抜き出す作業をします。
多い時には10回以上も描き直す時があります。消しゴムで消すのではなく、全く違う紙に描き直します。よく「大変そう」と言われますが、マチスだって何度も描き直したのだと思うと、私が一度で描けるわけがないので、仕方のないことです。
もしも既に出来上がったデザインを真似ると、どうも自分のものではないように見えてしまうというか(実際そうなのですが)、自分らしい線が出ないので、とにかく実物を見て、もしも実物に会えないなら写真を探しだしてでもスケッチをするところから始めます。
先日は「オリーブをモチーフに」とリクエストがあり、知らない家の軒先でオリーブをスケッチしていたら怪しまれたので、スケッチブックを見せて学生のような言い訳をしました。
ところが、はたと気付いたことがあります。
私は、ブタを愛するあまり、幼い頃から自分のトレードマークとして描き慣れすぎたあまり、ブタをスケッチしたことが無かったのです。
がーん。
そんなわけで、これからは「自分でスケッチしてからデザインしています」と言い切るのはやめて、控えめにいこうと思います。