ヘイ・ジュード
運動オンチな私は、オリンピックの競技に多少の興味はあれど、正直言って冬のフィギュアスケートを除けば一番の楽しみは開会式と閉会式です。
そんな事を言いながら夏のオリンピックは『荒川区の星』を応援しますが。頑張れ北島!(「日本の星だろう」と言われても元荒川区民としては訂正しない)
開会式では、国の威信をかけて文化・芸術・技術力等が世界にアピールされるので「さてさて、この国は何が自慢なのかな?」と毎回興味津々で見ているのですが、今年のロンドンオリンピックの開会式では、ポールマッカートニーが『ヘイ・ジュード』を歌うとのこと。
『ヘイ・ジュード』と言えば子どもの頃の教科書に載っていて「いったいいつまで『na〜na,na〜』って繰り返すんやろう?」と思ったのが最初の出会いです。
一般的には、ジョンレノンの再婚に心を痛めた息子のジュリアン(ジュード)を慰めるためにポールが作ったとされていますが、ジュードが女性にも使われる愛称だということで色んな解釈があります。
私がもう一度『ヘイ・ジュード』を別の角度から知ったのは大人になってからです。
この曲が1968年に発売された頃、チェコスロバキアではソビエト侵攻により「プラハの春」は終焉を迎え、そんな暗い時代に民衆を励ます歌としてマルタという歌手がチェコ語で「ヘイ・ジュード」を歌いました。
それから1989年のビロード革命まで長い間、チェコの民衆の心を支え続けた『ヘイ・ジュード』は全く歌詞が違うものの『あなたを励ましたい』という心から作り出されたメロディが人々の心に響いたのだと思います。
『ビロード革命』と呼ばれるほど穏やかだった無血革命によって民主主義が勝ち取られたのは『ヘイ・ジュード』の歌のおかげとする考え方もあるようです。それが大げさな評価だとしても、音楽の力はすごい、ビートルズはやっぱりすごい、ということに違いありません。
そんな『ヘイ・ジュード』を御年70歳のポールマッカートニーがオリンピックの開会式で歌うとラジオで聴いた時は嬉しかったです。
スタジアムにいる観客も一緒に『na〜,nana』と歌うことが出来るでしょう。サビを知らない人は殆どいないと思いますが、例え知らなくても、一度聴いたらその後のリフレインはずっと一緒に歌うことができるはずです。その歌声を聴いて『自分を励ましてくれた』と元気づけられる選手もたくさんいると思います。
イギリスで開催される世界の祭典にはピッタリな曲です。