日記

写生の途中で

ポカポカ陽気の先週末、息子を毛布でミノムシ状態にして
ベビーカーに乗せ、自宅アパートの前の楠をスケッチして
いました。
息子さんは、太陽の光に目を細めながらも、空を見上げて
ニコニコ笑っていました。
そんな風にのんびりと絵を描いていると、腰の曲がった
かなり年配の女性が足を止め「写生してるんか?」と
声をかけてこられました。
どうやら昔は「赤子は6ヶ月を過ぎるまで外に出しては
いけない」という説があったようで(今は1ヶ月から
外出OK)、ベビーカーで何処でも行ってしまう私は、
お年寄りからお小言を言われることが多いです。
その上、スケッチしているから怒られること確実、と
身構えつつ「は、はい。。。」と返事すると、突然
張りのある声で「アンタはエライっ」と言われました。
「そうや。子育てしながらでも、頑張ったらやりたいこと
できるんや」と言って、「え~顔してる。可愛いなぁ」と
息子の顔を撫でて去っていかれました。
あのかたが子育てしていた昔は、どんなだったのでしょう?
洗濯は全自動じゃなく洗濯板?
ガスコンロじゃなくて七輪?
子育てに追われて何もできなかったのか、それとも、
頑張って自分のやりたいこともやろうとしたのか。
わざわざ足を止めて励ましてくれたおばあちゃんの
後ろ姿を見つめながら、どんな生活だったんだろうねぇ
と、息子に話しかけてみました。
楠の葉影さえ映すキラキラした目は、何か別のことを
考えているらしく、返事はありませんでした。(当然か)

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