引越日記<3>
旧工房から荷物が運び出される日。
朝から私は憂鬱でした。
今日の午後には引越屋さんがやってくる。
ガラス以外の荷物を運んでくれる。
なのに工房は荒れ放題。
ダンボール箱は半分も埋まっていない。
. . . 残された時間は、あと6時間。
(このところ危機が続く私の脳内に流れるBGMは、中島みゆき「地上の星」)
相方さんと一緒にひたすら荷物を詰めること数時間。
最後の箱にガムテープを貼ったのは、引越屋さんが来る10分前のことでした。
ようやくホッとして記念写真をパチリ。
うちの工房には、私の祖父が若い頃に使っていた机と棚があります。
私が実家を出る時に持って出て、大阪→東京→大阪→京都→工房、と一緒に引越してきました。
昔に作られた机はバカでかくて、旧工房に入れる時は四苦八苦したのに、プロが運ぶと、机はスーっとドアを抜けて行きました。
プロは、ダンボール箱を3つ持って走る。
目にも留まらぬ速さで荷物が積み上げられていく横で、ガムテープをはがしていく私。
さっき荷造りしたダンボール箱を1時間後には荷ほどきする不思議。
引越しは、まだまだ続くのでした。