日記,  異国のはなし

ハイリゲンシュタット

我が家の裏山を少し登ると、町を見下ろす高台に疎水と遊歩道が続きます。

昔、ウィーン郊外のハイリゲンシュタットで、ベートーベンが田園交響曲の構想を練ったという道も、こんなごく普通の山道でした。

若かりし頃、ハイリゲンシュタットを訪れた私は『え?ここで作曲?』『天才とは、かくも普通の景色から名作を生み出せるものなのか』と驚きました。

疎水を歩いていて、そんなことを思い出した私は、ベートーベンにあやかって『何か素敵なアイデアでも思いつくかもしれない』と、時間のある朝はこの道を歩いて工房に行きます。

11月末は紅葉目当ての観光客であふれていた遊歩道も、12月に入ると急に人が来なくなり、いつもの静かな山に戻りました。

1812紅葉2

 

疎水の水かさが減り、観光船は通らなくなったけれど、紅葉はそのままです。

 

 

 

 

 

 

1812紅葉4

 

 

 

 

町を見下ろす丘

(エレカシファンにだけわかるタイトル)

 

 

 

 

1812紅葉5

 

 

 

雨上がりには紅葉の絨毯を歩く。

 

 

 

 

 

 

毎朝、木を1本でもスケッチしたら絵が上手くなるかもしれないと思いながら、まだ描いたことがありません。葉っぱを持ち帰るくらいだけど、それでも『何か残るものもあるかもしれない』と思っています。

遊歩道を四ノ宮で降りると、諸羽神社があります。

神様にお祈りをした後、四ノ宮地蔵にお参りをしたら、工房はすぐそこです。

 

相方さんには、ベートーベン目指して(?)歩くこの道のことを「疎水のハイリゲンシュタット計画」と言っていましたが、今は普通に「ハイリゲンシュタットに行ってくるわ」と言っています。

 

人は想像力さえあれば、どこにでも飛べる。

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