日本初のウイスキー

Posted on : 2006-07-04 | By : ゆふこ | In : 日記

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アイルランドでのギネスビール工場訪問以来、「酒蔵探訪」は、私にとって、好きな観光手段の一つになりました。
そんなわけで、神威岬から旭川への道中、日本で初めてのウイスキーが作られたというニッカウヰスキー余市蒸留所へ寄り道してきました。
お酒を作る過程は、錬金術のように不思議な上に、酒樽に施された創意工夫などを知るだけでも面白く、何より、どんなお酒にも必ず
存在するドラマが私の興味を引きつけるのでした。
訪れた蒸留所は「工場」と呼ぶには、あまりにのどかな、赤いとんがり屋根の建物が点在する緑豊かな場所でした。文化財にも指定されているという建物たちの、そこかしこから良い香りが漂ってきて、相方さんもご機嫌です。
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ニッカウヰスキーの創始者である竹鶴氏は、本格的なウイスキーづくりの技術を習得するため、1918年に単身スコットランドへ旅立たれたそうです。日本は、大正時代のことでした。
スコットランドでの彼の努力は、並大抵のものでは無かったと思いますが、そんな彼を支えたのは、リタという女性でした。
その後、竹鶴氏と結婚した彼女は、日本に永住することになります。私は、飛行機も無い時代に、世界地図からはみ出しそうな遠くへ
(欧州の世界地図では日本が端に描かれている)渡ってきた彼女に興味を持ちました。
リタと結婚して1921年に帰国した竹鶴氏は、戦後不況を乗り越え、1934年にスコットランドと似た余市でウイスキー作りを始めます。
私は、展示されている年表から、リタの歩みを丹念に拾い出しては、読み進んでいきました。
年表の最後のほうで、リタが竹鶴氏より先に亡くなったことを確認すると、私は、なんとなくホっとしました。
異国に住まう大変さを微塵も感じさせずに着物姿で微笑む写真の中の彼女は、最後の瞬間まで愛する人と一緒にいられたのだ、独りぼっちにはならなかったのだ、そう思うと「よかった」と思いました。
爽やかな青空と白樺の枝を渡る風が心地よい午後の工場見学でした。
ニッカウヰスキー余市蒸留所
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