日記

コンサート

神戸のグループホームで、チェロ四重奏を弾いてきました。
ロビーいっぱいに並べられた椅子には、楽しみに待っていらした
老人がたが「まだか」と言わんばかりに勢ぞろいで座って
いらっしゃいました。
この日は7月7日だったため、演奏したのは「七夕さま」や
「見上げてごらん夜の星を」から夏にちなんで「われは海の子」
「浜辺の歌」など親しみやすい曲ばかり合計7曲。
アンコールは、さすが神戸「六甲おろし」でした。
曲に合わせて歌うコーナーでは、この日のために練習されたそうで、
楽しげに声を出す皆さんの生き生きとした表情が印象的でした。
私は、老人ホームに限らず、お客さまと至近距離で演奏できる
このようなコンサートが大好きです。
涙を流して喜んでくださる姿を目の前で見ると、もらい泣きするので
誤魔化すのに少々困りますが。(涙に弱い)
生まれたばかりの赤ちゃんから御年寄りまで、言葉は
無くとも音楽はその胸に響くのかと思うと、
自分が楽器を演奏できる喜びをひしひしと感じます。
グループホームのロビーの片隅には笹の葉が飾ってあり、たくさんの
短冊がぶら下がっていました。
「どれどれ?」とのぞいてみると書いてあるのは「ケーキ食べたい」
「美味しいお寿司をたくさん食べたい」などなど。
あんまり可愛い願い事が多いので、思わず笑ってしまいました。
ヒトは年齢を重ねると、少し子どもにかえっていくのかもしれません。
私がおばあちゃんになったらなんて書くかなぁと考えましたが、
今現在でも「かき氷機が欲しい」って程度なので、歳をとっても
「かき氷食べたい」くらいでしょうか。
一つショックなことがありました。
グループホームでお世話をする若者たちは、私たちが演奏した歌を
知らないのだそうです。
それで、老人の皆さんの事前練習のため、そのまた事前練習を
自分たちだけでしなければならなかった、と。ガ~~ン!
「じゃあ今は小学校で何を習うの?」とショックを受けましたが、
同時に、自分とは明らかに世代が違う若い彼らが福祉の場で
活躍していることが頼もしかったです。
短いコンサートでしたが、誰もが幸せな気分になれた空間で
楽器を弾けて、演奏者としてこれ以上のことはないな、と
思いました。

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