故郷2
久しぶりに京都を歩いていたら、色々と思い出したことが
あるので、少し。。。
大阪や東京といった「平野」にしばらく住んでいると、
京都のように、常に山が間近に見えることが不思議に思えます。
私の実家は、京都市内の中京区とは言っても、西大路という
わりと西のほうにありますが、それでも、自転車で30分も
走ると東山に到着できます。
昔は、こんな風に山に囲まれた京都を息苦しい街だと思っていました。
学校からの帰り道に鴨川で、いかにも水深の浅い水面を見ながら
「この川だって、ずっとたどって行けば海に出るんだ。そんでもって
その海は、外国の岸につながっているんだ」と自分に言い聞かせて
いました。
好奇心ばかりが大きくて、知らない街を見てみたくて、なのに
今いる場所から飛び出す方法すら思いつかなかった私には、
どこを向いても山が見える京都は、空気が流れることのない
息苦しい監獄のようなものでした。
「いつかこの山を越えて、新しい世界を見るんだ」と、漠然と
思っていました。
で、実際にその「監獄」を離れて暮らし、いろんな国の人々と一緒に
仕事をして、外国を旅してまわると、不思議なことに、あんなにも
嫌だった故郷が美しく思えてきました。
山は青く、川を流れる水は美しく、以前は私の前に立ちはだかる
壁のように見えた山々も、今見ると「丘」って程度の高さです。
だからと言うわけではありませんが、色んな条件が重なって、終の
住まいを探そうと京都に行ってきたわけですが、色んなところに
暮らした経験上言えることは「何処に住んでも同じ」なので、
全く決まらず。。。
まぁ、2月から本腰入れて探しますか。
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そういえば、学生の頃、好きな歌は「名も知らぬ遠き島より流れくる
椰子の実ひとつ」という歌詞でした。「浜辺の歌」も好きでした。
京都に育った私にとって、海が遠い存在だっただけに、イメージとして、
「海辺=外の世界へつながる場所」と思えたのかもしれませんね。