THE BLUE RIDER 〜 えをかくかくかく
前回に続きSさん登場です。
Sさんが「この絵が素晴らしいので」と本を貸してくださいました。
「THE BLUE RIDER」という本の表紙には黄色い牛が描かれていました。
描いたのはフランツ・マルクという画家で、線はのびのびとして色は自由です。
こんな風に「好きだったら、なんだっていいんだよ」と言ってくれるような絵が私は大好きです。
でも、フランツ・マルクの絵は初めて見るはずなのに、どこかで見たことがあるような?
いったいどこで?
もう一度、本の初めからページをめくると、1枚目に青い馬の絵がありました。
青い馬?
つい先日、娘が学校から持って帰ってきた本にも青い馬がいたような。
急いで探すと出てきました。
こちらは、エリック・カールの「えをかくかくかく」です。
ページをめくると、自由な色で描かれた動物たちが次々に現れました。
そして、ついに最後のページに「たねあかし」が現れました。
やっぱりーーーーーーーー!(←心の声)
1880年、フランツ・マルクはドイツのミュンヘンに生まれ、青い馬など誰も思いつかないような色合いで絵を描いていましたが、第一次世界対戦で1914年に命を落とします。
1929年、エリック・カールはアメリカに生まれ、その後、ドイツに移住します。ナチス政権下では自由な表現が許されませんでしたが、美術の先生がこっそり見せてくれたマルクの色鮮やかな絵に魅せられて多くのことを学び、影響を受けました。
エリック・カールは、ふしぎな色の動物たちが自分と一緒に生きてくれたこと、それから「自由に描いていいんだ」と伝えるために絵本をつくりました。
青い馬が100年以上も前に描かれたという衝撃と同時に、エリック・カールからもカラフルな世界を受け取ったことに驚きました。
こんな風に「符号が合う」ことが、人生では度々起こります。
そして、そんな符号のカギをSさんから渡されたことに、とても不思議ですが、こういうのが「ご縁」なのかな、と思いました。