サンタツリーの原案/中学校の美術の時間
中学生の私が、美術の時間に作った「たまご」です。
30年以上も前のものです。(トシがばれる)
紙粘土でたまごの形を作り、そこに自分の好きな絵を描くという授業でした。
私は、ニワトリとウズラのたまごを参考に形を作りました。我ながら良い出来でした。
ご機嫌でニワトリのほうにはメキシコ風の模様を、ウズラのほうにはクリスマスの景色を描きました。(今も昔も絵が細かい)
私は、12月24日の夜に生まれたこともあり、クリスマスには格別な思い入れがありました。
ウズラのたまご大に作った紙粘土に、山並みと街のあかり、それからプレゼントを配るサンタクロースを米粒よりも小さく描きました。
これが、今回作ったサンタツリーの原案です。
ずっと「あのたまごの景色をライトにしたい」と思っていました。
中学校の美術の話に戻って。
美術のM先生に出来上がったたまごを見せると、先生は「おもしろい」と言ってくださいました。
M先生は、残念ながらもう亡くなられましたが、とても素敵なかたでした。先生は中学生の私に容赦なく質問を投げかけました。
「白からイメージする言葉はなんだ?」「思いつく色を全部言ってみなさい、自分の言葉で」「どうしてその画面を切り取って絵を描こうと思った?」「きみが描いたこの形が持つ意味はなんだ?」などなど。
私が絞り出す答えを、先生はいつも興味深そうに聞きながら「なるほど」「面白い」と頷き、それから最後にいつも「素晴らしい」と褒めてくださいました。
美大にも行かず、デッサンを習ったことも無い私に、30年前、M先生がくださった「あんたは素晴らしい」という言葉。
これだけが、ステンドグラスを作る今の私にとって唯一の『自信の根拠』なんだろうな、と思います。