作品,  日記

1987 あるベース弾きの肖像

演奏会でコントラバスを弾いていたその女性は、観客の1人がスケッチした自分の姿の絵を宝物として大事に飾っていたそうです。

ただ、その絵はカレンダーの裏にボールペンで描かれていて、徐々に薄くなったため、長い間、大切にしまわれていました。

30数年経ち、「この絵をガラスに写してもらおう。そうすれば線が消えずに飾れる。」ということで、ゆふ工房に古いスケッチを持ってこられました。

 

絵の周囲には、ブルーのガラスをたくさん使って水を表現し、家族同然の金魚たちも加わって、光り輝くガラス絵になりました。

1910金魚1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周囲のブルーは、金魚のための水であり、女性を彩るリボンでもあります。

 

作っているうちに「光が入ったら綺麗だろうな」と思い、ライトにしました。

1910金魚2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分で絵を描く時は、鼻歌を歌いながらサラサラと描くのですが、人の絵を写すというのは大変なものですね。

経年変化した元の絵は、線が薄すぎて、ガラスの下に絵を置いて写すことは不可能だったため、ガラスの横に絵を並べて、ひたすら線を追いかけて描きました。

しばらくの間、毎朝一番に「うーん。ここが違うかな?」と絵を確認しては描き直す、という日々を過ごしました。

金魚のガラスは丁度良いものが見つからなかったので自分で焼きました。

ガラス玉(ナゲット)も全て自分で作りました。

だんだんと自分でガラスを焼くのが普通のことになってきました。

とても手間がかかる作業ですが、それで自分の想像通りの作品ができるかと思うと仕方ないな(良い意味で)と思っています。

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